In der Fremde 見知らぬ場所で

ヨーゼフ・フォン・アイヒェンドルフ

小さな川の せせらぎが 聞こえていて
この森の そこここで
森ふかく せせらぎに 包まれていて
僕は どこにいるのか わからない。

小夜鳴き鳥が 羽ばたいていて
孤独に満ちた この場所で
古き良き 時代について
語ろうとでも するように。

月の明りが 柔らかに 舞っていて
その遥か下 僕はまるで
谷間の城を 見下ろすようで
けれどここから なんて遠いのか。

その城の 庭園は 薔薇に満ちて
真白と赤に 咲き誇り
あの人がきっと 待っている そんな気がして
けれどもう ずっと昔に 死んでしまったんだ。

原詩「In der Fremde」Joseph von Eichendorff