Lockung

Joseph von Eichendorff

聞こえないか?
木々たちのさざめきが
外の静けさを通ってくる。
惹かれないか?
バルコニーから下へ
じっと耳を澄ませていたいと。
そこには幾筋もの小川がゆきかい
月影のもといとも美しく。
そびえ立つ岩壁からは
物静かな城たちが川を覗いている。

いまだ知っているか?
古き良き時代の
奇妙な歌たちを。
それは夜あらゆるものを
森の孤独の中に目覚めさせる。
その時、木々は夢見心地に耳を澄まし
ライラックの花は妖しく香り
川では人魚たちがさざめくのだー
ねぇ、来てよ。ここは涼しいのよ。

Originalgedicht “Lockung” Joseph von Eichendorff