詩とGedicht のあわいで

あるがまま

エーリッヒ・フリード

それは無意味だ
と理性がいう
そうあるがままだよ
と愛がいう

それは誤算だ
と打算がいう
痛み以外の何物でもない
と恐れがいう
それは見込みがない
と見識がいう
そうあるがままだよ
と愛がいう

それは滑稽だ
とプライドがいう
それは軽率だ
と用心がいう
それは不可能だ
と経験がいう
そうあるがままだよ
と愛がいう

誰かを愛したとき、人は同時に様々な感情を抱きます。この詩は、それが自分にとって望ましい感情でなかったとしても、それでいいんだと言っているように思います。言い換えれば、自分の感情に対して、頭で考えた判断基準で評価を下さないということ。 
自分の中に湧き上がってくる感情をそうあるがままのものとして受け入れることで、相手への愛に向き合うことができ、そしてまた、自分自身を愛することに向き合えるのだろうと思います。
原詩「WAS ES IST」Erich Fried

© 1983, 1996, 2007 Verlag Klaus Wagenbach, Berlin

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